三重ブログ

伊勢神宮に縁のある2つの馬の伝説 多度大社の白馬伝説とへんば餅の伝承

伊勢神宮の神話といえば?

外宮は1500年、内宮は2000年以上の歴史を持つ伊勢神宮。
神々を祀る歴史ある土地には、古くから多くの神話が伝えられてきました。

伊勢神宮に伝わる神話といえば、天岩戸神話が有名ですね。
天照大御神が天岩戸の中に篭ってしまったために世界が闇に包まれたところを、天鈿女命が神楽と鏡を用いて大御神の興味を引き、岩戸を開いて再び世界の光を取り戻したという伝承です。

そんな天岩戸神話の他にも、伊勢神宮の周辺には様々な伝承があります。
今回はその中でも、神様と縁の深い「馬」にまつわるものを2つ紹介します。

馬にまつわる2つの伝承

多度大社の白馬伝説

天照大御神の第三子、天津彦根命が御祭神を務める多度大社。
その場所と御祭神同士の関係性から「北伊勢大神宮」とも呼ばれているこの神社には、古くから伝わる白馬の伝説があります。

昔から、多度大社のある多度山には、神の使いである白馬が棲んでいるといわれていました。白馬は丘の上から眼下に広がる町を眺め、人々の生活の様子を神様に報告していました。
この白馬が神様の元へ駆け再び戻ってくるとき、人々の幸福や喜びも一緒に運んでくるといわれています。

へんば餅の伝承

伊勢の名物和菓子「へんば餅」を販売している伊勢市小俣町は、かつて伊勢参宮街道の最終宿場町として知られていました。
漢字では「返馬餅」と書く「へんば餅」。名前の由来には、馬にまつわる一つの昔話がありました。

昔、村で疱瘡が流行り、ある一人の少女の家族も皆疱瘡にかかってしまいました。
少女は家族の回復を願い、返馬所で神様の使いである馬にお祈りをした後、餅を作り家族に振る舞いました。
すると、祈りが届いたのかみるみるうちに家族の病気が治ったため、少女と家族はこの餅を他の人にも売ることにしました。
そこでついた名前が「返馬所」にちなんだ「へんば餅」です。

2つの伝承の今

白馬伝説のある多度大社では、毎年、五穀豊穣と天下泰平を願う流鏑馬祭りが行われており、現在も神の使いである馬と執り行う行事が開かれています。
また、へんば餅は、現在も有限会社へんばや商店の和菓子として販売されており、地元の人々に愛され続けています。

時は流れ、日常生活で馬に乗ることがなくなった今もなお、それぞれの伝承は文化として脈々と受け継がれています。