三重ブログ

本物のアマゴにこだわり40年以上。アマゴ料理専門店「坂本小屋」(津市美杉町)

「魚介類は天然ものに限る」
日本では、魚介類に対する「天然信仰」が根強くあります。天然ものに比べ養殖ものは、何かと下に見られがちです。

しかし、そんな養殖ものの概念を覆す川魚が味わえる専門店が三重にあります。
伊勢湾に注ぐ雲出(くもず)川の源流域にあたる坂本川沿い、山の中のまたその奥にある「坂本小屋」というお店。
地付きのアマゴにこだわり、他所から親魚や稚魚を導入せず、自社で完全養殖した、限りなく天然に近いアマゴだけを提供しています。

 

水産関係者の“助言”で奮起。「原種アマゴ」の完全養殖に成功

坂本小屋は、現在の店主のお父さまが、1977年にオープン。

お店の目の前を流れる坂本川はかつて、天然アマゴの宝庫といわれていましたが、釣り人の増加などから、原種がめっきり釣れなくなりました。「このままではアマゴが絶滅してしまう」危機感を覚えたお父さまは、自ら原種アマゴを増やすことを決意します。

しかし、当時、アマゴ養殖の成功例はほとんど知られておらず、県内の試験研究機関に相談しても、「アマゴは無理。ニジマスにしたほうがいい」という、ありがたい“アドバイス”をいただくことに。

このため、お父さまは、薬局を営む傍ら、独学でアマゴ養殖に取り組みます。さまざまな文献を読みあさりながら、坂本川のほとりの土地を譲り受け、コンクリート池を自分で造ります。そこに、自分で捕ってきた天然アマゴを放し、方途を尽くして餌付けを試みました。

そして、試行錯誤の末、二十数年がかりで、原種アマゴの養殖法を確立。釣り好きだった先代がほれ込んだ「朱点が鮮やかで、パーマーク(魚紋)がはっきりした」アマゴが提供できるようになりました。

 

県内外のリピーターから愛されている“秘境店”

伊勢自動車道の久居インターチェンジから、車を走らせること約1時間。川沿いの細い道を進んで行くと、林の中から“小屋”がひょっこり現れます。

山奥の秘境とも言うべき場所にあるにもかかわらず、お店は、年中お客さまでにぎわいます。
県内からだけでなく、静岡など県外から訪れる人も多く、その割合はほぼ半々。個人客がほとんどで、リピーターが多く、客数も、景気の影響をそれほど受けないとのことです。

付近には、これといった有名な観光スポットがあるわけではありません。
初めてお店を訪れたお客さまの中には、あまりのへんぴさに、到着時はうんざりした様子だったのが、帰る頃には上機嫌となり、それ以来、リピーターとなって通っている人もいるとか。
お客さまは、観光のついでではなく、坂本小屋のアマゴを目当てに、アクセスの不便さを物ともせず、足を運んでいます。

お店は完全予約制で、コース料理が中心。「あまごの味わいコース」など、コースにはそれぞれ春夏版と秋冬版があり、原種アマゴをふんだんに使っています。

 

先代が心血を注いで生み出した養殖技術を、2代目の店主が受け継ぎ、大切に守り続けています。

 

【MEMO】

店名        : 坂本小屋

住所        : 三重県津市美杉町川上2705-26

電話        : 059-274-0703

公式ホームページURL : https://www.sakamotogoya.com

営業時間      : 11:00~17:00(完全予約制、ネット予約可)

定休日       : 不定休(ホームページ等でご確認ください。)

駐車場       : あり

交通アクセス    : 伊勢自動車道 久居ICから車で国道165号線などを南西へ約60分。JR名松線「伊勢奥津駅」からは車で約15分

備考        : 離れあり

 

※写真はイメージです。