三重ブログ

Good! それでいい、と背中を押してくれる。東海道関宿(亀山市)

ツバメが飛び交っていました、関宿に。
江戸時代の面影を残すこの宿場町は余りに静かで、近所の人たちが世間話をする声や琴を練習する音など、生活音が聴こえてきました。
何かに固執するのではなく、無常観を受け入れた旅人として生きる魅力を、このスポットは教えてくれます。
ここで子育てをするツバメも、生活する人たちも、流れる月日も、……そして私も、私の人生でさえもまた、旅人のようなものです。
流れ流され、漂う人生の中で、例え一時の「築き上げたもの」や「いいもの」を得たとしても、それらはすべて泡沫(うたかた)の夢。
そう、執着しないで手放せばいいし、許せばいいのです。相手に差し上げればいいし、また新しいものを自分で探せばいいのです。
江戸時代にここを通った旅人に想いを馳せて関宿を歩いていると、心がフッと軽くなりました。

東海道47番目の宿場町

関宿は、時空を超えた旅人になれるスポット。
かつては東海道五十三次の47番目の宿場町として栄え、今もノスタルジックな趣にあふれています。江戸時代から明治時代にかけて建てられた町家が200棟以上も現存し、国の重要伝統的建造物群保存地区(昭和59年選定)に選定されました。
東西に広がるこの宿場町は、約1.8km。
関宿の東の入り口にあたる東追分は、東海道と伊勢別街道が分岐し、西追分は、東海道と大和街道が分岐します。
きっと、かつての旅人は、多方面から人と人が行き交うこの場所に着いて、「やっと伊勢に入った」と実感したのではないでしょうか。

実際に歩いてみると……

伊勢参りをした昔の旅人の心情に浸るために、伊勢神宮一の鳥居がある東追分から西追分を目指します。
歩いて巡る人ばかりでなく、サイクリストも多数いました。
ずらーっと並んだ町屋の光景は、時代劇のセットのようで美しさ。その建物に挟まれた東海道をしばらく進むと、油屋や肥料屋、鮮魚店など昔ながらの店舗が次々と視界に入ってきます。
店舗に掲げらている看板は、昭和やそれ以前を彷彿させるものばかり。百六里庭・眺関亭では、二階にから街並みを撮影することができます。
西追分に近づくと、ぜひ訪れてほしいのが、志ら玉屋 前田屋製菓 関店。定番のスイーツ「志ら玉」が味わえます。こし餡をもっちりした生地で包んだ、素朴であっさりと美味しい一品です。

詳細・アクセス

■住所
亀山市関町木崎、中町、新所

■アクセス
【徒歩】JR関駅から徒歩約5分
【車】名阪国道関インターチェンジICから約5分

■観光三重公式サイト「東海道 関宿を歩く」
https://www.kankomie.or.jp/special/sekijuku/

関宿の旅路の果てに

東追分から歩き続けた小さな旅は、あっという間に西追分に着いて、終わりとなりました。
それでいいのです、と風が私の耳元でささやいてくれます。
手放したり許したりするのに自分を納得させる必要などありません。……旅をするのに理由がいらないのと同じように。
そして、旅路の果てに感じました。
人生をさすらうのなら何にも執着せず、心を身軽にした方が、途中の回り道やトラブルすらも愉しめるということを。