三重ブログ

メールやスマホのない時代、まさかここで手旗信号⁉ 多度山上公園(桑名市)

まだ電信の基盤が整っていなかった明治初期。遠くの人にいち早く情報を伝えるのは、とても困難なことでした。
・・・・・・で、メールもスマホもない時代にどうやって伝えたのか?
それが、まさかの手旗信号です。
桑名市の多度山頂には、大阪や名古屋などの相場を伝達するのに、「相場降り」という手旗信号でリレーした中継所がありました。
標高403メートル。
見晴らしがいいから、旗を振って伝えるには最適です。
あなたは今、伝えたいことをちゃんと伝えていますか?
いつでも簡単に伝えられるからといって、なおざりになっていませんか?
伝えることが楽ではなかった明治時代を感じ取れる多度山頂は、奥ゆかしいスポット。ぜひあなたにも見ていただきたいです。

米相場を、早く伝えたい!

特に当時、経済界は変動する米相場を重視していました。米相場は、今でいうと、平均株価や為替相場に匹敵するものです。関わっている経済人はこの相場の最新情報が早く知りたくて、仕方がありません。
そこで、多度山頂の三角点すぐ近くの三本杉と呼ばれる場所で、まず桑名米穀取引所から送られきた相場の旗信号を望遠鏡で確認。そして、同じように旗振りをして、四日市、名古屋、高須(岐阜県海津市)へとつないだということです。
原始的な伝達方法ですが、この手旗で名古屋-大阪間ならすぐに伝わったそうですから驚きです。

登ってみた

多度山は、いろんなハイキングコースがありますが、登山気分を味わうなら、愛宕神社の脇の登山口からスタートする「健脚コース」がおすすめ。
山道は険しいですが、子どもを連れても山頂まで一時間はかかりません。また、木漏れ日が美しく、五号目には石をピラミッド型に積み上げた「ケルン」と呼ばれる見所もあります。
山頂は公園になっていて、眼下に広がる景色は、絶景。旗振り通信をした跡地のほか、ブランコや滑り台など遊具もあります。

 

詳細・アクセス

■住所
桑名市多度町柚井

■アクセス
1.眺望満喫コース
【電車+徒歩】
養老鉄道「多度駅」から徒歩で多度山上公園まで約75分

【車+徒歩】
東名阪自動車「桑名東IC」から約15分のポケットパーク駐車場へ。徒歩で多度山上公園まで約60分

2.健脚コース
【車+徒歩】
愛宕神社前駐車場から徒歩で多度山上公園まで約40分

■多度ハイキングコースサイト(桑名市公式サイト内)
https://kanko.city.kuwana.mie.jp/leisure/tado/

 

指の思いやりを問う

多度山頂から旗振りを行った遠い昔を想像すると、現代のSNSは便利過ぎて、使い方を間違うといかに恐ろしいかを感じます。
旗振りはSNSに比べ不便ではありますが、いや、不便だからこそ、情報の発信者はいかに旗を分かりやすく振ろうか、などと受信者を思いやります。
今は、スマホのボタン一つで、簡単に、多くの人へ情報を拡散できる、便利過ぎる時代。
情報を拡散するその指に、思いやりはありますか?
多度山上公園の絶景を前にすると、伝える原点を教えてもらったような気持ちになりました。