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忍者の携帯食?木づちで割って食べる伊賀の「かたやきせんべい」
伊賀名物、かたやきせんべいを知っていますか?
「日本一固いせんべい」としてメディアで紹介されたこともあるんです。
どれくらい固いかというと、歯でわることが困難で、小さく割るために木槌を使わなければいけないほど。
どうしてそんな固いせんべいが生まれ、今でも愛されているのか?
今回はそんなかたやきせんべいについて紹介します。
かたやきせんべいとは?
三重県伊賀地方で作られ、今も食べられているお菓子、かたやきせんべい。
茶色でふっくらとした形、ほんのり甘い味で、素朴なおいしさです。
しかし、他のせんべいと一線を画しているのが、その固さ。
ゆっくりじっくりと水分を飛ばして焼かれたせんべいは、日本一固く、しかも厚さがあるため、歯で割ることはとても困難です。
それではどう食べるのか…?
なんと、かたやきせんべいには、小さな木槌がついてきます。
食べるときにはその木槌でせんべいを小さく割って食べるのです。
忍者の携帯食として食べられていたという歴史
かたやきせんべいがこんなに固いのには理由があります。
伊賀と言えば忍者の国。
その昔、伊賀忍者が任務にあたる際、携帯食として食べていたのがかたやきせんべいの始まりと言われています。
人目をはばかり任務にあたる忍者。
食料は必要ですが、できる限り小さく、荷物にならないもの、かつ栄養のあるものが良いです。
そのため、栄養素の高い材料で生地を練り、それを極限まで水分を飛ばしてじっくりと焼き上げたかたやきせんべいが生まれたとされています。
当時は、刀の鍔や石で割って食べていたということです。
かたやきせんべいのバリエーション
そんなとても固いかたやきせんべいですが、近年ではより食べやすく、多くの人に楽しめるよう進化を遂げた商品も販売されています。
例えば、生地はそのままで、薄さを抑えることで食べやすくした「うすやき」
ココナッツミルクを加え、クッキーのようにして焼いた「小焼き」
風味は変えずに、柔らかく焼き上げた生地に、なんと餡をいれた「あん入りかたやき」などです。
また、忍者にちなんで、手裏剣の形に焼かれたものもあります。
こちらは、忍者の里らしいおかしとして、三重県を訪れる観光客の方にとても人気です。
食べるときに木槌が必要なほどの固さの食べ物は、世界を見渡してもなかなかありません。
三重県を訪れた際には、日本一固いせんべい、かたやきせんべいにぜひ挑戦してみてください。