自身が伊勢市に引っ越ししたときにも出前をとった伊勢市のうなぎ屋さん「さし汐」。
実は1回も店舗に訪れたことはなかったので、意を決し、出前ではないうなぎを堪能してやろうとさし汐さんへ赴いた。
いつもは店の前を通り過ぎていくだけだったあの店に、ついに、我が身を委ねるのであった。
さし汐といえば「まぶし」のうなぎ
以前は鳥羽人だった僕は、伊勢に行くときにいつも横を通り過ぎていたお店「さし汐」。23号線に上がるのに、必ずと行っていいほど目にとまる。いつもお昼時には車が一杯で、ひと目で人気店なのがわかる。今回は、そういった混み混みの時間をさけ、ラストオーダーギリギリにお店に行くことにした。
店内はテーブルと座敷席があり、広く清潔感があった。さし汐は創業35年。その間、沢山の人々がここでうなぎを食べたのだろう。さし汐に入店する際、お店をあとにしたのは老夫婦とその孫らしき家族だった。老若男女愛されているのがこの時点で感じ取れた。
ラストオーダーの時間帯だったのでちょうどお客さんがいなくなるタイミングだった。お客さんがいないことをいいことにカメラを振り回す。いい感じに店内を撮影できた。本当だったらこんな写真は撮るのは難しい。
「そんな話はいいからうなぎを見せろ」という声が聞こえたのでうなぎの写真どうぞ。こちらはさし汐のうな重(竹)。「おれはうまいぜ」というオーラをすでに醸し出している。
さし汐は宮崎産の肉厚でボリュームのあるうなぎが人気。箸に載せたときにもズシりとその重さを感じる。そしてよく見てほしいのは鰻の下にあるご飯だ。
さし汐の特徴としてタレをコーティングした状態の「まぶし」というごはん。これがまたうまい。一粒一粒丁寧にタレが行き渡ったお米はうなぎの旨みを引き立てる。
話によると、この「まぶし」ごはんは代表である杉村氏が厨房で丁寧にまぶしているそうだ。毎日毎日、やけどするレベルの熱さのお米を丁寧にまぶしていっている。
先の話であるように僕は「出前」での「さし汐」を経験していたが、恥ずかしげもなくざっくばらんに自信を持って単刀直入に言うと…
店頭で食べるほうが断然うまい。
うまく感じる…というより、状態がやはり違うので旨さがものすごい増している。出前が美味しくないという意味では決してなく、出前は出前でうまい。出来たてと出前の差、壁のようなもの。代表が丁寧にまぶしていると思うとより一層深みを感じた。
「こ、これが店頭でのさし汐か…すごいうまい」
そんな感想を聞いた杉村氏はにこやかに語ってくれた。
「さし汐の完全体を食べたいのなら12時においで」
ラストオーダー付近のご飯と、お客さんがたくさん回っている、つまり混み混みの時間帯のさし汐のご飯とではやはりほんのちょっと状態が違うそうだ。決して他の時間帯が美味しくないわけではなく(というかむしろこれは絶対うまいって言えるやつ)、お客さんが回っている時間こそがご飯も鰻も最高の状態で食べられるそうだ。
だから「並んででも12時のさし汐を食べにおいで」と。
「まじか」
正直そう思った。これよりもうまいものを味わえるなら、12時に行列に並んででも食べに行くのは有りだ。それぐらい魅力的なミッションになるだろう。こんなことをわざわざ教えてくれるのはお客さんのためを思ってのこと。美味しいものを食べて幸せになってほしい。ただそれだけ。
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どんだけご飯の話でふくらませるねん(ご飯だけに)とツッコミを入れつつ、これだけは伝えたい。
さし汐での注文時には「かけ」と「まぶし」のどちらか聞かれるが、ぜひとも「まぶし」を堪能してほしい。この記事を読んだ人なら、もう「まぶし」を頼むよう願いたい。
行列を待たずに「さし汐」のうなぎを食べるには
行列に並ばなくて良い方法は無いか?と杉村代表に聞いてみたところ、実は「予約」で奥の個室席(最大20人)を取れるとのこと。座敷になっていて、ゆったりとさし汐のうなぎを堪能できる。
混沌(行列)に舞い降りたメシア(救世主)。行列を避けたければ予約するのだ。うなぎを食べる日は決まったかい?ならば「さし汐」の予約をもうやっちゃおう。
お店:さし汐
場所: 〒516-0012 三重県伊勢市通町193-3
電話:0596-22-3696
営業:昼:10:30~14:30
夜:16:00~LO 20:00
テイクアウト:10:30~15:00、16:00~20:00
定休日:火曜日※祝日の場合は翌日休み
HP:さし汐のHP