旨さの探求一心。孤高で至高の蕎麦屋、蕎茶亭まるやま(菰野町)

  1. 三重北勢

料理を食べて、感動すること。
──あーあるね。うん、あるある。
──SNSに「感動」って伝えるやつ?

いいえ。
このそばを食べて得られる感動は、根本的なところで、今、一般的に使われるそれとは違うように感じました。
「#感動の料理」で検索すると、ズラッと並ぶ華やかできらびやかな品々の画像。
この店のそばは、むしろ、その対局にある存在のように思えます。

孤高にして、至高。
そこに、時流への迎合は微塵もありません。

ここは、菰野町にあるそばの人気店、蕎茶亭まるやま。ご夫婦が営んでいます。
web上で評価が高く、今の時代には珍しい徹底したこだわりがあります。

蕎茶亭まるやまの画像

店の入口には、このような貼り紙が……。
過度の香水や強い香りの洗剤等使用の方、お子さん連れの方は入店できません。
また、作りおきなどをしないため調理に時間がかかるから、「お急ぎの方、短気の方にはお勧めいたしません」とあります。

いろんな意見はあろうかと思いますが、これを見た途端、客の都合に合わせるのではなく、そばをおいしく味わってもらう都合にすべての照準を合わせているのがよく分かりました。

さあ、どんなそばなのか、一緒に見ていきましょう。

蕎茶亭まるやまはこんなお店

蕎茶亭まるやまの画像

国道306号を菰野町役場前の交差点から北へ約400メートル。
ちょっと分かりづらいですが、右折して細い路地に入っていくとすぐに着きます。

外観だけを見ると民家そのもの。
「いらっしゃいませ」と客を単一的に迎え入れる店舗ではなくて、客から「こんにちは」と声をかけて人付き合いが始まるような印象を受けました。

蕎茶亭まるやまの画像

店の看板は、表札板のように玄関先に掲示されている、これだけ。小さい!
店周辺には、案内表示がありませんのでご注意ください。

蕎茶亭まるやまの店内画像

中に入ると、このようにテーブル席がたくさんあるんです。
ご覧の通り、店内は極めてシンプル。余計な装飾や演出はなく、清潔感がいきわたっていました。

メニューはこちら

蕎茶亭まるやまのメニュー看板画像

メニューはこのように一捻りした、オリジナリティあふれるものばかり。全部食べてみたくなりますよね。
そばの王道とも言える、もりそば、ざるそば、かけそばがメニューにないのも特徴的。
いずれも数量限定で、売り切れ次第終了となります。
また、メニューは季節によって変わります。

理屈などいらない。さっそく食べる

蕎茶亭まるやまの鴨そぼろ画像

今回は、悩みに悩んで、鴨そぼろ(1700円税込)を注文しました。
このインパクト! さすが有名店です。
具だくさんな冷やしぶっかけそばで、温玉や鴨そぼろ、刻み海苔、水菜、大根の千切り、糸唐辛子が乗っています。

蕎茶亭まるやまの鴨そぼろ画像

まずは、そばつゆをかけて……。

蕎茶亭まるやまの鴨そぼろ画像

温玉を潰したりなんかして、あーたまりません。

蕎茶亭まるやまの鴨そぼろ画像

そして、そばをぜいたくな具ごと一気に啜ります。
シャキシャキの水菜や大根と鴨のあっさりとしたそぼろ、温玉、そして、そばの相性は抜群!
そばは細麺で、コシも十分。喉越しと香りも楽しめます。
糸唐辛子のピリ辛はいいアクセントになっていました。

粋なそばですねー。
そう、粋。
これだけ具材が多いとバラバラな味わいになってしまいそうですが、計算し尽くされていて、全体に一体感がありました。

最後に、トロッとした蕎麦湯。こちらもそばのいい香りがしました。

大満足。
まさにここは、店主のセンスが詰め込まれたそばの名店です。

孤高にして至高。
すべては、そばをおいしく味わってもらうことだけに特化した逸品ばかりのメニューを、あなたもぜひご堪能ください。

蕎茶亭まるやまの詳細・アクセス

蕎茶亭まるやま画像

■場所
〒510-1253 三重県三重郡菰野町潤田2097-1
(Googleマップ)
■定休日
火曜日・水曜日・木曜日
 ※臨時休業あり
■営業時間
午前11時30分~午後2時00分
 ※オーダーストップ午後1時30分
■アクセス
【車】
新名神高速道路、菰野ICから約10分
東海環状自動車道、東員ICから約20分
■SNS
Twitter @sobakyosatei

The Inabes

いなべ市を拠点とするクリエイター・デュオ。紙媒体やweb用のカメラ撮影、ライティング、デザイン等を行う。メンバーはunとQ。unは山沿いの三重県内キャンプ場に入りびたるアウトドア派。Qは愛する北勢を舞台にした小説執筆が趣味のインドア派。

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