INTERVIEW
企業インタビュー
2024.10.17
確かな技術力で、創業以来50年以上顧客から信頼され続ける老舗企業
株式会社伊藤エンジニアリング 代表取締役社長 伊藤琢也 氏
三重県四日市市で工場の機械設備メンテナンス業を営む株式会社伊藤エンジニアリング(以下、伊藤エンジニアリング)。創業から約54年もの間、顧客から選ばれ続ける同社が何を大切にして経営しているかを3代目の代表取締役である伊藤琢也氏に伺いました。
創業以来50年以上もの間、地元四日市の製造会社との信頼関係を築いてきた
当社は創業以来50年以上、機械設備の設計開発からメンテナンスまでを担える高い技術力により、地元である四日市市を中心としたエリアのさまざまな製造会社との信頼関係を築いてきました。すぐに駆け付けられる、顔を合わせられる地元のお客様に全力を尽くすため、あえて自社から30分圏内にある製造会社に特化してサービス展開しています。
機械設備に関する開発・メンテナンスをワンストップで対応
プラントの機械設備でのメンテナンスには主に仕上工・鉄工・とび工、非破壊検査・保温・産業洗浄の6つの種類があります。当社はその中の仕上工・鉄工・とび工・産業洗浄の4種類に対応しています。加えて、機械設備以外でも電気・計装・土木工事にも対応していますので、機械設備などのプラント内設備のメンテナンスをワンストップで対応できます。
難易度の高い「回転機械」のメンテナンスに定評あり
プラントの機械設備の中でも「回転機械」のメンテナンスを得意としています。「回転機械」は機械の種類も多く、メンテナンスにも0.05mm単位での精度を要求されることがあり、非常に難易度が高い機械設備です。当社は、長年の経験とノウハウにより、「回転機械」のメンテナンスの技術力を有しています。
経営者こそ会社のことを一番理解していなければならない
社長を引き継いでから何度か経営が厳しい時期がありました。若くして社長となったため、社員からの反発もありました。「経営者こそ会社のことを一番理解していないといけない」という思いから、現場での業務も含めてとにかく必死に勉強し、徐々に社員からの信頼を得ていきました。また、経営に対する知識も徐々に身につけていき、経営の改革にも乗り出していきました。
経営改革の成果として顧客基盤の拡大に成功
経営改革としては、顧客基盤の拡大・固定費削減・財務基盤強化・営業体制強化・経営管理体制強化などを進めていきました。特に、顧客基盤に関しては1社で売上の60%以上を占める状況から、現在は複数社で売上を分散している状況に改善しました。
お客様の期待を超えること
石油化学工場、製鉄所、製造工場など、私たちのお客様は多種多様です。そこで使われている機械設備はさらに千差万別です。また、お客様が新製品を製造する際や、製造工程を見直す際は、新たな設備を設計・開発することもあり、常に技術力の向上が必要となります。そのような状況の中では、「お客様の要望から逃げないこと、そして、期待を超える」というマインドを持ち、日々技術を磨くことがとても重要だと考えています。
仲間同士で信頼し合うことで、お客様の信頼を得ることができる
過去に難しい問題に直面したときには、信頼し合える仲間同士で支え合い、切磋琢磨することでその問題を解決し、結果として技術力を向上させてきました。今では、仲間への信頼の大きさが、お客様からの信頼の大きさを生み出し、良い仕事につながると確信しています。
協力会社に対しても、社員と同じように接する
協力会社も社員と同じように接することを意識しています。例えば、社員と同じように仕事で使う道具やユニフォームを支給していますし、休日業務に関しても法定以上の報酬を支払っています。これは他の会社では行っていないことです。 協力会社も働きやすい状況を作ることで、良い仕事をしくれますし、結果としてお客様にとっても良いサービスを提供できることになると考えています。
常に成長するという意識
毎日のように、新しく覚えなければならないことや、身に付けなければならない技術に出会う仕事です。失敗を恐れず、新しいことに挑戦することがとても重要です。去年より今年、今年より来年、常に成長するという意識を大切にしています。
四日市のものづくりを、世界中から必要とされるものに
「四日市のものづくりを、世界中から必要とされるものに」というビジョンを掲げています。四日市近隣では石油コンビナート以外にも製造会社が多く、世界的に希少な技術を持った会社も少なくありません。しかし、多くの製造会社は建設から30年以上が経過しており、さまざまな部分で製造活動への支障をきたしているとお客様を通じて感じています。私たちは機械設備の設計開発やメンテナンスを通じて、製造会社の生産性向上に貢献し、地域産業のますますの発展に貢献したいと考えています。
社員や協力会社がより働きやすい環境をつくる
ビジョンを叶えるためにも、設備投資や新しい技術の導入を進め、競争力を高める必要があります。また、福利厚生の充実など、社員や協力会社がより働きやすい環境を作り、今よりもさらに良い仕事がしやすい状況をつくることが必要だと考えています。そのために、新たな売上の柱を立て、さらに安定した事業基盤を作り、収益率を向上させていきます。
若手を中心とした積極的な人材採用
安定した事業基盤作りには人材確保も必要です。若手を中心に積極的に採用していきたいと考えています。また、いつ私がいなくなっても会社が継続できるよう世代交代も視野に入れながら、人材育成にも力を入れていきます。次世代の職人を育て、日本のモノづくりを支えていきたいと考えています。
今後も市場は拡大傾向
機械設備の開発・メンテナンスの需要は今後も高まると言われています。製造会社が増加する一方で、機械設備に関する職人は減少していますし、海外業者の値上げなどにより機械設備の設計開発やメンテナンスの国内回帰が進んでいるという背景があります。
家族と共に過ごす時間を大切にしてほしい
当社の社員には「家族とともに過ごす時間を大切にしてほしい」という思いがあります。そのため、仕事の効率を上げ、休みや仕事後の時間を取りやすいようにしています。結果として、年間休日約120日・土日祝休み・残業時間平均10時間/月という労働状況になっています。
継続的に需要がある仕事
機械設備の開発・メンテナンスという職業は、最初は習得するのに多少時間がかかりますが、技術が身に付けば継続的に需要がある仕事です。加えて、当社は業界内で比較的給料水準が高く、顧客基盤も安定しているため、経済的にも安定した生活を送れるかと思います。
業界未経験の方も歓迎
業界未経験の方も歓迎しております。入社後はOJT制度により、先輩社員が技術を丁寧に教えていますので、未経験でも安心して仕事を覚えることができます。また、入社後はいくつかの職種を経験してもらい、その後に本人の適性や希望にて職種を決めるため、本人にマッチした仕事に就くことができます。